同じ問題を自分たちで乗り越えてきた
TOMOSEパートナーズ自身も、かつてプロジェクト型の事業を営む会社として、エース営業への依存・低単価案件の積み上げという同じ状況にありました。そこから儲かる顧客の特定、商品・ソリューションの見直し、売り方の変革を自社で実践してきた経験があります。
ケーススタディ
エース営業依存の営業組織を「スキル向上」ではなく
「相性の良いお客様起点」で変えた取り組み
お客様について:【業種】コンサルティング業(プロジェクト型事業) 【規模】社員約70名 【売上】10億円未満
TOMOSEさん自身の経験も踏まえて真摯に向き合ってくれました。そもそもの売れない理由の整理から一緒になって考えてくれたのが印象的でした。
「うちのトップは単価の高い案件を要件整理してきちんと売ってくる。でも若手・中堅は安い商品か、値下げ勝負の案件しか取れない。どうすれば若手がエース営業のように育つのか」 営業課長からの相談でした。
それでも、「若手がエース営業のように育っている感覚がない」「あらゆる取り組みを必死にやっているのに、毎月の数字は変わっていない」という状態が続いていました。
まず一緒に考えたのは、売るためのスキル向上やマーケティング手段の再検討ではなく「自社にとって理想の案件とは何か」でした。 今うまくいっているプロジェクトは何か。長く使ってもらえているお客様は、どういう理由や条件で関係が続いているのか。逆に「この案件は受けるんじゃなかった」と思ったものがあるなら、それはどんなときか、などを一緒に掘り下げていきました。 理想の話と営業現場の実態について話し合っているうちに、「エース営業依存課題構造」が見えてきました。 営業メンバーは行動量重視のため、様々な規模・課題のお客様に会いに行く。でも一人ひとりのお客様の課題を深く理解する時間も関係も作れないから、基本的には御用聞きになってしまう。そのため、他社よりも「安く・早く」という切り口でリプレイス受注を狙うか、無理めな要望のコンペ案件を無茶気味に取ってくるかになりがち。その結果、デリバリー側は予算がない案件対応でアウトプットの精度が下がるか、期待値調整ができず炎上するか。結果的に頑張って受注したのに、1回で取引が終わり、営業とデリバリーの関係も悪くなっていく。 やはり、根本の問題は「相性の良いお客様について、メンバー・部門ごとに理解がバラバラで、組織として定まっていないことではないか」ということでした。利益が出る案件には、どんな共通点があるのか。長く付き合えているお客様がなぜ使い続けてくれているのか。それが組織として認識統一がされていないため、営業は行動量でなんとかするしかなくなる。 「この構造を一緒に変えていこう」と合意したのが、この取り組みの出発点です。
| 機能 | チームの合理 | 結果として起きていたこと |
|---|---|---|
| マーケ | リード・商談数が増えればよい | 営業が欲しいリードを供給することが目的化 |
| 営業 | 売上を上げればよい | 利益を無視して、売りやすい案件を追う。期待値をあげて、無理やり売る |
| デリバリー | 納期通りに納品すればよい | 顧客満足より「終わらせること」を優先する。リピートは増えず、単発案件が増える |
やみくもに行動力でなんとかする営業組織を変えたいという状況は、いろんな会社様からよく伺いますが、この会社様の事業である「コンサルティング事業」をはじめとした、人が稼働してお金を生み出すプロジェクト型のビジネスモデルにおいて(ex.受託開発系など)は、この状況が起きやすい特有の問題があると考えています。その部分に着目し、課題構造の仮説を整理していきました。
利益(効率)の可視化が難しい。お客様の課題やアサインメンバーなどに応じて、売値も原価も変化する。また、デリバリーチームが案件に対してかけた時間が記録されていないことが多い。結果的に実際にいくら利益が残ったか、またどれだけの効率で利益を生み出したかが分からない。どの案件・どんなお客様の場合が儲かるのかが分かりづらい。 参入障壁が低く、競合が多い。初期投資が少ないため、同種のサービスを提供する会社が多い・増える。だからこそ「自分たちがどのポジションで選ばれるか」を明確にすることが、事業を継続・成長させるうえで非常に重要になる。 プロジェクトに関わる人の能力が、売値とリピートに直結する。提供できる価値の質がそのまま単価と継続率に跳ね返る。つまり、デリバリーチームが育たないと、事業の成長性は上がっていかない。
「エース営業依存から脱却したい」という相談からでしたが、TOMOSEパートナーズが解決するための方針として掲げたのは「儲かる顧客を特定し、その顧客の課題や痛みに合わせて売り方を再設計する」。これを実現することこそが、やみくもな行動量依存への脱却と、エース営業だけでなく、メンバーも安定して高単価・高利益案件を売り、会社全体が成長する要点だと考えたのです。
まず目指したのは、「誰に対するどんなプロジェクトが利益効率が良いのか」を数字で見える状態にすることでした。 TOMOSEが自社で開発し、自社で導入している案件の利益管理システムの導入を提案し、チームへの導入支援も含めて行いました。主には、受注後の案件の売上金額や外部に出す費用、また、デリバリーチームがそのプロジェクトに使った工数の記録などを行いました。「利益効率が高かった案件の共通点」が見えてきたとき、「自分たちにとって本当に価値を提供できるお客様仮説」が初めて言語化できました。
参入障壁が低いこのビジネスモデルでは、「どのお客様に・どのポジションで選ばれるか」が事業の肝です。儲かる顧客が特定できてからは、そのお客様に選ばれるための仕組みを一気に整えました。
| 対象 | やったこと |
|---|---|
| ターゲット顧客 | 儲かる顧客像・リストを再定義 |
| Webサイト | 儲かる顧客課題に刺さる商品・ソリューションへ刷新 |
| 営業資料・トーク | 儲かる顧客向けに提案の組み立てを見直す |
| 顧客管理(CRM) | 儲かる顧客と出会い、関係を維持し続けるための情報管理・活用方針を整備 |
| デリバリー | 儲かる顧客の課題に応えられるスキル・実行体制の見直し |
これまでの仕事のやり方を変える必要があるため、もちろん多くの反発や困難がありました。 それでも少しずつ変化が起き始め、儲かっている案件の共通点が見えてきて、「儲かる顧客像」「課題と商品」の輪郭が、組織の中で少しずつ共有されるようになってきました。また、これまではエース営業しか売れなかった規模感の案件が、他の営業メンバーにも徐々に増えはじめました。「初回商談でお客様と課題と解決策について合意できたから、次回一緒に提案を進めたい」と営業メンバーからの働きかけや相談が増えました。 マーケティング・営業・デリバリーがそれぞれバラバラに動いていた状態から3つが徐々に同じ方向を向き始めた兆候が見てとれました。
| 機能 | 取り組み前 | 見えてきた傾向 |
|---|---|---|
| マーケ | リード数・商談数だけを追う。営業の言いなり | 営業の「言いなり」から理想の案件創出の「協働」へ |
| 営業 | 売上主義・利益を無視して売る | 儲かる顧客・課題・商品にメンバー意識が集中。「売る」から「課題解決」へ |
| デリバリー | 遂行主義・納期最優先。顧客満足が上がりにくい | 短い時間で大きな価値を出すためのディスカッションが増えた。「次の案件は〜」という未来の話が増えた |
変わったのは指標だけではありません。若手・中堅が「誰にどんな価値を届けるか」を考えながら動けるようになることで、自分たちがやるべきこと、鍛えるべき要素も絞られてきました。エース営業の動き方を「真似する」のではなく、自分の言葉で提案を組み立てる機会が生まれました。
最初は、どうすれば営業メンバーがもっと高い商品を売ってこれるか、ということばかり考えていたのですが、そもそもの売れない理由の整理から一緒になって考えてくれたのが印象的でした。その本質的な課題解決には多くの壁がありましたが、TOMOSEパートナーズさんと一緒に乗り越えることが出来てよかったです。また、営業メンバーがデリバリーチームと積極的に関わるようになっているのを見て、いい方向に事業が成長しているなと感じています。 なお、TOMOSEパートナーズ自身も同じプロジェクト型の事業者です。かつて社長・エース営業に依存し、ほかのメンバーは、あらゆる手を尽くしても少額の制作案件しか売れなかった。そんな時期を経て、儲かる顧客を特定し、売り方そのものをアップデートしてきました。自社の経験をベースに一緒に伴走することができます。
TOMOSEパートナーズ自身も、かつてプロジェクト型の事業を営む会社として、エース営業への依存・低単価案件の積み上げという同じ状況にありました。そこから儲かる顧客の特定、商品・ソリューションの見直し、売り方の変革を自社で実践してきた経験があります。
目の前の施策を増やすのではなく、ビジネスモデルや組織の慣習に着目し、その会社特有の課題構造を対話を通じて一緒に可視化します。お客様がどうありたいか、本当に解決すべき課題は何かを起点に整理していきます。
儲かる顧客を特定するだけでなく、その顧客に選ばれるための商品、Webサイト、営業資料、顧客管理、デリバリー体制まで一貫して見直します。営業だけでなく、マーケティングやデリバリーも同じ方向を向ける状態をつくります。
まずは「自社にとって相性の良い顧客とはどんな顧客か」「どんな事業・組織になったら理想か」というテーマでお話を聞かせてください。「若手が育たない」という目の前の課題も、理想の顧客や、理想の組織像を整理することで見え方が変わることが多いです。まずは話してみるところから、お気軽にご連絡ください。
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